振袖web戦略の指標

ウェブの集客では、「効果指標が見えにくい」というのが問題です。

効果指標というのは、極端に言えば、何円かけて何円の売上が立ったかということです。
しかし、それだけではありません。
分解していけば、「フォロワーが何人」「LPによる売上が何円」など、細かな指標があることが分かります。

難点は、ウェブ集客全体を見通すための経験がないと、こうした指標が分からないことであると言えます。
ウェブ集客の戦略を立て、それに基づいて試行錯誤した経験が無ければ、それが分からないことは当然のことであり、そうした経験を持つ呉服店の経営者は少ないでしょう。

そこで今回は、呉服店の経営者に分かる形/リアルな営業と結びつける形で、ウェブ集客における効果指標を概説します。

はじめに

(振袖)集客は、おおまかに言って、次のようなステップを踏んでいます。

    • ①見込み客リストを集める=直接的には名簿購入
    • ②DM/テレアポ/訪問(ここにもいくつかのステップが用意されている)
    • ③来店訴求=「展示会」「相談会」
    • ④店舗訪問
    • ➄確約

    ※④と➄は「リアル」における出来事なので、本稿が対象とする指標群には含めません

    顧客名簿の獲得=弱いリスト

    リアル営業において、顧客名簿とは「名前」「住所」「電話番号」(「メールアドレス」)であると言えます。
    ではしかし、ウェブ集客においては、それは何を指すのでしょうか。まず概念として、「弱い名簿」と「強い名簿」と分けてみることとしましょう。
    「弱い名簿」というのは、一応繋がっているが、直接的な訴求ができない名簿のことです。
    例えば、SNSのフォロワーがこれにあたります。
    SNSのフォロワーには、直接的な売り込みは難しく、また、こちらがSNSに投稿したとしても相手には届かないことも多いです(SNSはすべての投稿が表示されるわけではないため)。しかし、徐々に魅力を伝えていくことはできます。
    また、SNSのフォロワーを強い名簿に変えることもできます。
    例えば、SNSでなんらかの呼びかけをして、メールアドレスを集めれば、それは弱い名簿から強い名簿への変換になりますよね。ゆえに、指標として次を置くことができます。

    指標 1. SNSのフォロワーなどの「弱い名簿」の質と量

    フォロワーの数は、その断片的な指標です。
    呉服点の長期的な視点で考えるならば、SNSのフォロワーなどの「弱い名簿」がどのように集まるかが重要です。
    例えば、SNS広告を使えばフォロワーを増やすことができます。
    しかし、それはお金を使って集めているだけであって、そこに利益を下げる要因があります。反対に、フォロワーが恒常的に増える構造があるとすれば大きな資産であると言い得ます。
    例えば、魅力的なSNSの投稿がなされており、何もしなくてもフォロワーが増える状況があれば、それはフォロワーの数が少なくとも将来的には大きなレバレッジとなり、したがって、次の指標も置かれます。

    指標2. SNSのフォロワーなどの「弱い名簿」が増える構造/システムの質と量
    顧客名簿の獲得=強いリスト

    SNSのフォロワーが多くても、売上には繋がりません。
    それは、SNSは訴求性が弱いからです。
    どこかで、強い名簿に変換するか、来店してもらう必要があります。

    換言すると「SNSで振袖を売ることはできない」となります。
    SNSのアカウントが分かっても、それだけで振袖を売り込むことはできません。

    「来店」は難しいから、強い名簿にすることを考えます。
    強い名簿というのは、直接的にダイレクトに来店を呼びかけることができる名簿のことです。

    例えば、Twitterにおいて「LINE登録キャンペーン」をしかけるとしましょう。
    具体的には、LINE/メール登録するとデジタルカタログが貰えるというような形です。
    そうすると、LINE/メールのアカウントの名簿が溜まります。

    これはつまり、弱い名簿→強い名簿の変換をするということです。
    こうした構造がしっかりと作れていれば、より訴求しやすい顧客名簿(つまりはLINEやメール)が徐々にたまっていくということです。
    したがって、次の指標も置かれます。

    指標3. 「弱い名簿」を「強い名簿」に変換する(「強い名簿」を獲得する)構造/システムの質と量

    指標3が充実していれば、自然と「強い名簿」が集まります。
    したがって、その指標3を評価する間接的な指標として、指標4を置くことができます。
    あくまでも、指標3の結果として生じる、間接的指標であることに注意する必要があります。

    指標4. 「強い名簿」の量(メールアドレス/LINEの名簿の量)
    顧客名簿への働きかけ

    指標1-4は、顧客名簿に関する指標でありました。
    この顧客名簿に対する働きかけの方法についても、効果指標を置き得ます。

    例えば、LINEで送った内容が読まれているか(クリック率)や、メルマガをブロックされていないか(ブロック率)などがあるでしょう。
    また、質的には、どのような内容が送付されているのかということも重要です。

    それらは極めて多岐に渡ります。
    ここに重要なものを列挙することはできるが、煩雑になってしまうために避けます。
    指標5として、それらをまとめて置きます。

    指標5. 顧客への働きかけの質/量

    例えば、次のような下位指標があります。
    ナンバリングは仮に行ったものです。

    指標5-a. SNSの投稿内容の質
    指標5-b. SNSの投稿の量/頻度
    指標5-c. メールマガジンの内容
    指標5-d. メールマガジンの開封率
    ・・・

    リストに基づいた来店訴求

    たとえどんなにメールアドレスやLINEを持っていたとしても、来店しなければ意味がありません。

    「強い名簿」や「弱い名簿」から「来店」してもらうための仕組みを評価する必要があります。
    どのような働きかけ(質)をしているのか、またそれはどの程度の機会を得ているのか(量)。

    指標6. 来店の訴求の質と量

    具体例を詳述します。
    来店の訴求の「質」を決めるものとして、ランディングページの質(クオリティー)を挙げることができます。
    どれだけLINEやメールアドレスを持っていたとしても、そこへ「来店しませんか」と送るランディングページがまったくダメなものだとすれば、結局来店しません。
    名簿の量と質が無駄になってしまいます。

    指標6-a. ランディングページの質と量

    また、なににどのような回数送るかも重要であります。
    LINEで「キャンペーンやってます!」と1度送るのと、3度送るのでは当然違いますよね。
    多く送れば良いというものではないが、しかし少なすぎてはいけません。

    指標6-b. リストに対して何回ランディングページを送るのか
    リストに基づかない来店訴求

    最後の指標として、リストに基づかない来店訴求があります。
    これは要するにウェブ上の広告のことを指します。
    リストに基づかないと言うのは、SNS広告にせよリスティング広告にせよ、手元にあるリストに関係なく広告を出す事ができるからであります。
    地域と年代などを指定すれば、顧客名簿がなくとも広告は出ます。

    そのように考えたときに、ウェブ広告の質と量が評価の対象となり得ます。

    指標7. ウェブ広告の質と量

    また、HP/ブログやGoogle Buisiness Profileなどにおける来店訴求も必要であります。

    指標8 HP/ブログ/GBPにおける来店訴求の質と量

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