明暗を分けた1月振袖ウェブ商戦――新たな広告手法に光明

1月24日・25日・26日の三日間に行われたとある振袖催事が大きな注目を集めた。行政人口約5万8千人の地域において、昨年のウェブからの申し込み実績を大幅に上回る「昨年対比612%超」という結果があったのである。
いわゆるプレゼントや値引きといった従来型の集客手法ではなく、振袖コレクションの魅力や安心感を全面に打ち出したLP(ランディングページ)戦略を組み合わせたことが功を奏したと考えられるが、ウェブ広告手法の変化もあったという。
今回の集客導線を見ると、インスタグラム19%、HPバナー33%、Google広告(新タイプ)7%、リスティング広告12%、不明29%という構成であった。Google広告の新タイプの申し込みが底上げした形だ。
またこの結果は長期的な広告配信によるイメージ戦略の結果だという。ショート動画(10-30秒の縦型動画でスマートフォンでの再生に適している)を活用した年間通じての知名度向上施策が寄与している。また、オフラインでの口コミや紹介が影響した可能性も高い。さらに、今回大きく寄与したとされるGoogleの新しい広告手法についても注目される。この手法は、活用を検討している事業者にとって貴重な検証材料となるだろう。

ユーザ目線の広告で顕著な効果

昨今の振袖市場では、SNSでの話題づくりを活用した認知度向上が広がりつつある。ユーザが自発的に投稿した写真やコメントは、消費者にとって信頼度が高い情報源となる。こうした発信の在り方は「UGC(User Generated Contents=ユーザが作り出した内容)」と呼ばれる。企業側の広告宣伝とは異なる「第三者の声」として機能するUGC的な投稿をユーザに促すことは、ローコストで高い宣伝効果を得られる。
しかし、UGCをお客様が投稿していくことをただ期待するだけでなく、UGCライクな広告戦略を打つ手法も注目されている。現在、呉服業界の外では、多くの企業が「ユーザが自然に投稿した」ように見える動画や投稿内容を広告として用いている。これらはあたかもユーザによって生み出されたように見えるが、実際には広告代理店や制作会社によって設計されたものである。こうしたユーザ目線の広告が振袖対象者には自然であり、従来的な売り込み型の広告よりも高い効果を発揮することが期待されている。

◇詳細はVERDE OLIVA(ヴェルデオリーヴァ)株式会社(075-708-6352 / kobayashi.verdeoliva@gmail.com

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